記事一覧

第4回フォーラム 開催報告

11月14・15日に京都にて第4回フォーラムを開催しました。参加者は北は新潟から南は鹿児島まで、75名と多くの方に参加して頂きました。

今回のフォーラム開催に先立ち、研究会では有志によりワーキンググループを立ち上げ、テキスト「自立循環型住宅研究会版 温熱環境を解く」を作成しました。これは、「自立循環型住宅への設計ガイドライン」を理解し、身につけて、前向きに「省エネルギーの時代の住宅建築」に向かおうとする建築実務者の助けになればとの思いから作られました。

1日目の始めは、「自立循環型住宅研究会版 温熱環境を解く」の基礎編を、執筆を担当したメンバーにそれぞれ解説して頂きました。
基礎編は
1.熱と温度
2.湿気と湿度
3.エネルギー
4.温熱的快適性
5.気象
6.環境問題
という幅広い内容から成っています。3時間という限られた中で、担当の方々には各章の内容を丁寧に説明して頂きました。どの内容も実務とつながる内容で真剣にテキストの理解に努めた参加者の皆さんは、3時間の解説が終わった時点ですでに結構お疲れの模様でした。
 次に、前回の春のフォーラムで集められた約20軒の冬の温湿度実測データから、断熱性能や暖房設備と夜間温度低下の関係や、冬の夜から朝にかけての目標とする温熱環境についての分析の発表がありました。そして、最後は前回の夏の「住まい方ガイド」の発表に引き続き、これから向かえる冬の「住まい方ガイド」が提案、解説され、参加者から改訂への意見を集めて1日目のフォーラムが終了しました。
 夜は懇親会、2次会と続き、各地で温熱環境の快適性と省エネに取り組む参加者同士の親睦を深める時間となりました。

春と秋の年2回に開催しているフォーラムでは、参加者のうち数社の方々が、其々の会社で設計・施工した住宅を事例として、冬と夏の温湿度測定の結果、快適性に関する住まい手アンケート、エネルギー消費量を把握できる環境家計簿の結果と、自立循環型住宅の評価とを照らし合わせ、それらを分析して発表しています。また、それらの具体的な物件をもとにして参加者みんなでさらに分析をし、意見を交換し合うワークショップを行っています。

 2日目は今年の夏の温湿度測定などの分析発表とワークショップがメインの内容です。今回はトヨダヤスシ建築設計事務所・参創ハウテック・空設計工房・タケホーム・ザイソウハウスの5名の方に事例報告をして頂きました。それぞれの事例発表では、実測データ分析・アンケート・環境家計簿・自立循環型住宅評価を揃えて総合的な分析の他にも、土壁と外断熱の組み合わせ事例や、日射遮蔽効果の検討、ライフスタイルや立地条件の影響、打水効果を比較検討した事例など、物件ごとに特徴的な発表内容でした。その後、この5事例をもとにグループワークショップを行い、分析と意見交換を行いました。
 
 次回の春のフォーラムでは「温熱環境を解く」の実務編の解説、検討を行うので、次回までにテキストを各自読み込んでくる事と、今後も温湿度の実測、アンケートや環境家計簿を使って、住宅の温湿度環境、快適性、省エネの分析と検証に取り組み、研究会全体としてより多くのデータを集めていくことを確認しました。また、次回か次々回には「自立循環型住宅研究会賞」等をつくり、それをこれからの省エネ住宅の権威あるものにしていこうという目標が立てられました。

参加された皆さん、2日間大変お疲れ様でした。また、今回都合で参加できなかった方も、次回は是非よろしくお願いします。

  • 2008/12/01(月) 23:52
Script : Web Diary + Skin : RightBower